京大理学部がどんな学部か解説します!

進路選択

こんにちは!白タヌキです!
今回は私が卒業した京都大学の理学部について解説します。
京大理学部に入学を検討している方や、入学後どのように行動するべきか困っている方の
手助けになれば幸いです!

入学から卒業まで順番に説明していきますが、読みたい部分だけ読んでいただいても大丈夫です!

そもそも理学部って何をするの?

はじめに、理学部とはどのような学部なのか説明します。
一言で言うと、理学部とは、

「自然科学の基礎を探求する学部」 です!!

そう言われてもイマイチよく分からないですよね?
なので、ここでは他の一般的な理系学部との比較を通して理学部について理解していきたいと思います。

理系学部として多くの大学に存在する〈医学部〉〈薬学部〉〈工学部〉〈農学部〉と、
〈理学部〉の比較を行ったものが下の表になります。

表を見ると、他の学部と比較して、理学部は自然現象の原理・法則を理解することに
焦点が当たっていることが分かると思います。

私は、「自然法則の探求を行えること」こそが、理学部の一番の魅力だと考えています!

というのも、他の学部や企業で研究を行う際には、
「社会でどのように活用するのか?」という観点が強く求められます。

一方で、理学部は自然現象に関する新たな知見を提供することが重要な役割です。

そのため、「好きな分野をとことん探求したい!」、「自然がどうなっているのか理解したい!」
という方にはピッタリの学部です!

京大理学部の特徴について

次に京都大学の理学部の特徴について説明します。

京都大学の理学部で最も特徴的な点は、
「入学時には学科が存在しない」 ということです。

どういうことか、京都大学の入試要項を見て確認をしましょう。

京都大学の学部ごとの入学定員・募集人員
(「令和7年度 京都大学 入学者選抜要項」より一部抜粋・ハイライトを追加、
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/admissions/undergrad/requirements)

この画像を見ると、医学部、薬学部、工学部、農学部といった他の理系学部には、
「○○学科」という項目があるのに対して、
理学部には学科に関する項目がないことが分かると思います。

これには京都大学理学部の方針の一つである、「緩やかな専門化」が関わっています!

京都大学理学部のサイトでは以下のようなことが書かれています。

 学部教育においては、基礎的科学体系を深く修得し、それらの基礎を創造的に展開する能力、さらにはこれら個々を総合化し新たな知的価値を作り上げる能力などを養成することを目標としている。そのためには、自由にして創造性を富む気風・既成の権威や知を無批判に受け入れることなく自ら情報を探索し新たな考え方を吸収する学習態度や姿勢を養うことを目指している。
 こうした教育理念・目標を実現する施策として、理学部は学生に大きな選択自由度を与える「理学科のみの1学科制」に基づく「緩やかな専門化」という教育基本方針を採用している。
 即ち1-2回生においては狭い専門に閉じず幅広い学問の学習を促し、3-4回生においては自らの興味・意欲と能力・適性に応じて5つの専門分野(数学、物理学・宇宙物理学、化学、地球惑星科学、生物科学)から1つの専門を選ばせ(系登録)理学的素養を深化させることを学生に求めている。

「特徴と目標|京都大学理学研究科・理学部」より一部引用
(https://sci.kyoto-u.ac.jp/ja/about/mission)

つまり、京都大学理学部の方針として、
「幅広い分野の学習を通して視野を広げ、興味・関心のある分野を深化させる」
ということが掲げられているため、入学時点では学科の区分がないのです!

もちろん、高校で選択していた理系科目以外の専門分野に進むことも可能です。
私も高校では物理・化学を選択し、大学では生物を専門にしていました。

そのため、「理系分野で研究活動をしたいけど、もっと色んな分野を見てから専門を決めたい!」
という方には、京都大学理学部は非常にオススメです!

1~2回生:履修内容について

入学後の履修内容についても解説していきます。

1~2回生の内は3年次の系登録に向けて、
「専門基礎科目」、「専門科目」、「外国語科目」、「人文・社会科学科目」を
主に履修していくことになります(系登録については後ほど解説をします)。
それぞれについて簡単に確認をしていきましょう!

 

まずは「専門基礎科目」と「専門科目」についてです。

「専門基礎科目」や「専門科目」とは、理学部が開講する講義や、
全学共通科目(学部によらず履修登録できる講義)のうち理学部が選定したものが該当します。

科目としては、数学・物理学・化学・生物学・地学があり、
最終的に専攻する科目以外の単位であっても卒業単位として認められます。
そのため、広い範囲を学習し、自分の興味のある分野を見つけるのが良いでしょう!

 

次に「外国語科目」についてです。

「外国語科目」は英語とそれ以外からもう一つ言語を履修することが必要です。
複数言語を学ぶことにハードルを感じる方も多いかと思いますが、
体感では単位認定要件はそこまでそこまで高くなかったので、身構えなくても大丈夫です!

「外国語科目」を通して外国語について興味が出てきた場合には、
より専門的な科目も用意されているので、そちらの履修を検討しても良いと思います!

 
最後に「人文・社会科学科目」についてです。

哲学や歴史、芸術、教育などを含む7つの分野から、3つ以上の分野を履修する必要があります。
自分から積極的に学んでこなかった分野について触れる機会になるので、
この科目についても関心のある分野を幅広く学習すると楽しいと思います!

2回生 後期:系登録に向けた準備

ここで、系登録について説明をします。

系登録とは、3回生以降の専攻科目を登録することを指します。

先ほど、京都大学の理学部には学科の区分がないとお伝えしたと思います。
そのため、3回生に進級するタイミングで自分の専攻科目を決定する必要があります。

注意すべき点としては、

  • 系登録には必要単位数が設けられており、留年の可能性があること
  • 分野ごとに定員があり、必ずしも希望の専攻科目とはならないこと

が挙げられます。

希望する科目によっては、これまでの成績が参考にされたり、
試験や面接が設けられているので、しっかりと準備することが大切です。

3回生:履修内容について

3回生では、主に「専門科目」を履修していくことになります。

1~2回生との違いとしては、「実験科目」が多くなることが挙げられます。
私の専攻した生物学分野では実験科目は必修ではありませんでしたが、
研究室に配属された後のことも考えて、いくつかの実験科目を履修しておくのが良いでしょう。

また、学生のほとんどは4回生で大学院試験か就職活動をすることになります。
これらについても準備が必要になってきます。

3回生 1月~3月:研究室訪問をしよう!

4回生進級時に研究室に配属されるのですが、
それまでに所属したい研究室を訪問しておく必要があります。

学生が研究室の雰囲気を知ることと、
先生方が学生の研究分野や進路などの意思を事前に把握することが目的です。

いきなり研究室を訪問するため緊張するかと思いますが、
基本的に学生は先生方の研究内容を手伝いながら研究を進めることになるので、
先生方も貴重な人手だと歓迎してくれることが多かったです。

そのためいくつかの研究室を訪問し、
自分の関心のある分野や進路の予定についてしっかりと伝え、
自分に合った研究室を見つけましょう!

4回生:研究室配属

研究室に配属後は本格的に研究を進めていくことになります。

ここでは、研究室配属後の大きなイベントである、

  • 就職活動
  • 大学院入試
  • 卒業論文

について解説をしていきます。

・院試によって研究室や大学を変更することが可能であること
・ただし内部からのほうが進学しやすいとは一般的に言われている

(3回生夏~)4回生 春:就職活動

まずは就職活動についてです。

就職活動を行う場合には、3回生の夏休みや冬休みにインターンシップに参加し、
興味のある業界を調べておくことが必要です。

多くの学生は4回生の6月までに就職を決定することになります。

私は生物専攻でしたが、業種としては種苗メーカー、実験設備メーカーなどの
バイオ技術を活用した業界から、自動車部品メーカーなどの機械系メーカー、
求人広告や人材派遣を扱う人材業界など他業界に就職した友人がいました。

就職活動については、後日別で記事を作成するので、
興味がありましたらそちらも見ていただけると幸いです!

4回生 夏:大学院入試

大学院に進学を考えている場合には大学院入試を受ける必要があります。

大学院入試は学内だけでなく、他大学や社会人が受験する場合もあるため、
こちらもしっかりとした準備が必要になります。

大学院入試は筆記と面接からなり、
一般的には先生方が担当する講義内容から出題されることが多いです。

大学院入試についても別記事で解説する予定ですので、もし良ければそちらもご覧ください!

4回生 ~2月:卒業論文

4回生を卒業するためには卒業論文を書く必要があります。

論文とついているからといって身構える必要はありません。
学部卒業時点の論文ではネガティブデータ(仮説が間違っていたと判明した結果)でも良く、
1年間の研究成果を適切にまとめられていれば問題ありません。

卒業論文についても後日別で記事を作成するので、
興味がある方は覗いていただけると嬉しいです!

まとめ

京都大学理学部の特徴や入学後の流れについてイメージができたでしょうか?

京都大学の理学部は、入学時点では学科がなく自由に勉強できる点が一番の魅力だと思います。
この記事を通して理学部について興味をもっていただけたら嬉しいです!

ここまで読んでくださりありがとうございました。
また別の記事でお会いしましょう!

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